
初めて相撲観戦をする方にとって、「1日はどのような流れで進むの?」「いつ行けば取組が見られるの?」と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
この記事では、大相撲本場所と巡業の1日のスケジュールを具体的にわかりやすく解説します。
寄せ太鼓から始まり、弓取式で締めくくられるまでの流れを知っておけば、観戦の楽しさがぐっと広がります。時間配分の参考にもなるので、観戦前にぜひご覧ください。

Photo by photoAC
本場所とは、日本相撲協会が年6回開催する公式の興行で、15日間にわたり力士たちが勝敗を競い合う場です。1月・3月・5月・7月・9月・11月の奇数月に開催し、東京・大阪・名古屋・福岡の4都市で行われます。
本場所は成績により昇進や降格が決まるため、場所中は常に緊張した空気感が漂います。さらに、華やかな土俵入りや迫力ある取組だけでなく、伝統儀式や独特の雰囲気も魅力です。
このように、大相撲の魅力を最も深く味わえるのが本場所であり、観戦初心者から相撲ファンまで幅広く楽しめるでしょう。
大相撲巡業とは

Photo by photoAC
巡業とは、基本的に本場所の開催月以外に全国各地で行われる地方巡回の興行です。本場所と異なりファンサービスが中心で、勝敗による番付変動はありません。相撲の魅力をより身近に感じられるため、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめます。
力士たちが土俵入りや取組を披露するほか、稽古の様子を間近で見学できたり、握手や撮影などの交流イベントも楽しめたりします。さらに、稽古中や取組中は力士の真剣な眼差しを、土俵入りや質問コーナーではお茶目な姿を見られるのは巡業ならではです。
このように、巡業では真剣勝負の本場所とは違い、笑いと緊張の両方を一気に楽しめます。
ronchon.hatenablog.com
【大相撲本場所の1日】項目別スケジュール

Photo by photoAC
ここからは、本場所の大まかな1日のスケジュールを解説していきます。具体的な流れは以下のとおりです。
- 入場開始
- 前相撲
- 幕下以下による取組
- 十両による土俵入り
- 十両による取組
- 幕内による土俵入り
- 横綱による土俵入り
- 幕内による取組
- 弓取式
それぞれ見ていきましょう。
※目安の時間帯は、初日~12日目を基準にしています。
9:00|入場開始
呼出による寄せ太鼓打ちから1日がスタートします。寄せ太鼓を聴いて「本場所が始まった」という雰囲気を味わうために、早めに現地へ足を運ぶ方も少なくありません。
開場は12日目までは8:30~9:00、13日目と14日目は10:30から、そして千秋楽は10:00が一般的です。開場時間は開催場所と日にちによって異なるため、現地で観戦する際は何時に開く予定なのかを確認しましょう。
9:10~9:30|前相撲
前相撲とは、番付に名前がない力士による取組を指します。新弟子検査に合格し、初土俵を踏む力士が中心ですが、序ノ口で休場した力士も前相撲に参加します。
前相撲の時間は「日本相撲協会」公式サイトの取組表に記載されています。前相撲以降の時間も記されているため、観戦する際はチェックしましょう。
9:10~9:30|幕下以下による取組
前相撲が終わると、幕下までの取組が始まります。13日目と14日目は10:30~11:00前後、千秋楽は10:00~11:00前後が目安です。
最近では力士だけでなく、行司や呼出など幅広く応援する方が増えています。早い時間だと若手の力士や行司、呼出のほか、以前幕内で活躍していた力士の姿も見られます。まれに珍光景を見られるケースもあるため、時間がある方はぜひ幕下以下の取組から見てみましょう。
14:15|十両による土俵入り
幕下上位の取組が始まる前に、十両が化粧廻しをつけて土俵に上がります。土俵入りは十両以上が行う儀式で、十両の場合は取組表に「十枚目土俵入」と記載されています。
千秋楽は通常より約30分早く、十両土俵入りの時間は13:45前後が目安です。
14:40|十両による取組
十両土俵入りと幕下上位の取組が終わると、十両による取組が始まります。十両の取組は、相撲観戦の中でも見応えのある時間帯であり、将来の幕内力士が活躍する注目の取組が続きます。
人数によっては、十両が幕内と対戦する「十両対幕内」が組まれることもあるでしょう。このような取組は、力の差や番付昇進の行方にも注目が集まります。
なお、「東西東西(とざいとーざい)」という呼びかけが場内に響くのは、十両の取組の最後を知らせる合図です。これを聞いたら、次は幕内の取組が始まるというタイミングの目安になります。
15:40|幕内による土俵入り
十両の取組が終わると、次は幕内力士が東西に分かれて色鮮やかな化粧廻しを締め、個性溢れる姿で土俵入りを行います。よく耳にする企業の化粧回しやキャラクターが描かれた化粧回し、狼や龍の迫力のある化粧回しなど人によってさまざまで見ているだけで楽しめます。
千秋楽は全体的に進行が早めになるため、土俵入りは15:15前後が目安です。この時間帯になると観客も増え、場内の熱気が一層高まります。
15:40|横綱による土俵入り
幕内土俵入りが終わると横綱による土俵入りが行われます。横綱だけが行う儀式で、露払いと太刀持ちは同部屋か同じ一門の力士が務めます。横綱の土俵入りは雲龍型と不知火型に分かれ、横綱によって型が異なるのが魅力です。
会場全体の「よいしょ」の掛け声とともに、横綱が四股を踏む姿は迫力満点です。
16:10|幕内による取組
幕内の取組では、前頭や小結・関脇・大関を含む三役、横綱による力強い戦いを楽しめます。特に、終盤は人気力士や番付上位同士の対戦も多く、見応え抜群です。
千秋楽には「三役揃い踏み」があり、結びの3番までの力士が東西に分かれて土俵に上がり、四股を踏みます。
18:00|弓取式
弓取式とは、大相撲の取組がすべて終わった後に行われる儀式です。基本的に、横綱と同部屋の力士が行います。
弓取式では「弓を抜く」といわれる土を掘るような動作がありますが、これは毎日同じ方向から行うのではありません。実は、結びの1番の勝敗によって向きが変わり、東西で勝った方から先に弓を抜きます。
【大相撲巡業の1日】項目別スケジュール

Photo by photoAC
次に、巡業での1日の流れを解説していきます。場所によって多少の前後はありますが、巡業の主なスケジュールは以下のとおりです。
- 入場開始
- 力士による公開稽古
- スペシャルコーナー1
- 幕下以下による取組
- スペシャルコーナー2
- 土俵入り
- 幕内による取組
- 弓取式
それぞれ見ていきましょう。
9:00|入場開始
寄せ太鼓の合図とともに、巡業の1日がスタートします。開場前は入場待ちの方が列を作っているため、遅くとも30分前を目安に現地に到着しておくと安心です。
また、多くの会場内は土足厳禁なので、スリッパを持参しなければいけません。入場する際は履物の交換で混み合うため、すぐに取り出せる場所にしまっておくと良いでしょう。
そして、開場後は人気の力士による握手会が始まります。開場後にさっそく力士と交流できる場なので、ぜひ参加しましょう。
10:00|力士による公開稽古
土俵上では申し合い稽古やぶつかり稽古のほか、三番稽古などが行われ、周囲では力士たちが準備体操や筋力トレーニングに取り組みます。稽古中は、体がぶつかる音や荒々しい息遣いを間近で感じられ、相撲の厳しさを実感できる貴重な時間です。
また、この時間帯は力士との距離が近く、サインに応じてもらえる可能性も高まります。無理のない範囲で、タイミングを見て声をかけてみましょう。
11:00頃|スペシャルコーナー①
力士による子どもとの公開稽古も巡業ならではの催しです。自分よりはるかに大きな相手に向かっていく子どもの姿と、本場所では見られない優しい表情で受け止める力士の姿は、心温まる光景です。
また、人気力士がさまざまな質問に答える質問コーナーはどの会場でも盛り上がります。「好きなタイプは?」「カラオケの十八番は?」など普段聞けないような話を聞けます。
12:00|幕下以下による取組
お昼休憩を挟んだ後は、幕下以下による取組が始まります。巡業に参加するのは、基本的に関取の付け人や初切の担当者など特別な役割がある力士が中心ですが、地元出身の力士が登場することもあります。
参加力士の数は本場所よりも大幅に少ないため、取組数は少なめでテンポよく進行します。
13:00頃|スペシャルコーナー②
次は、巡業でお待ちかねの初切や相撲甚句、太鼓打分のコーナーに移ります。
初切は、相撲のルールや決まり手をわかりやすくコント風にアレンジしたものをいい、初心者でも楽しみながら学べるのが特徴です。
相撲甚句は「あ〜どすこいどすこい」の掛け声でお馴染の伝統的な歌で、力士の心地良い歌声が会場に響き渡ります。
太鼓打分では、呼出による「トントン」といった相撲会場でよく耳にする音を聞け、相撲らしい空気感をいっそう盛り上げてくれるでしょう。
13:40|土俵入り
土俵入りでは、関取が企業ロゴやキャラクターが描かれたものなど個性豊かな化粧廻しをつけて登場します。巡業ならではの特徴として、土俵入り前にツーショット撮影に応じてくれることもあります。
巡業の土俵入りの魅力は、力士同士が和気あいあいとしているところを見られる点です。ファンに向かって手を振ったり、隣の力士にくっついていたずらしあったりなどさまざまな姿が見られます。
そして、大関以下の土俵入りが終わると、横綱が土俵入りします。堂々とした所作で気迫に満ち、本場所に引けを取らない迫力の土俵入りを見届けましょう。
14:00|幕内による取組
土俵入りが終わると、幕内の取組が始まります。各力士が真剣に勝敗を争う場面は、巡業でも本場所に劣らない迫力です。
ただし、巡業は本場所にないリラックスした雰囲気も魅力の1つです。普段から仲の良い力士同士の対戦では、思わず笑いがこぼれるようなユーモアのある一幕が見られることもあります。
15:00|弓取式
巡業の締めくくりには、本場所と同様に「弓取式」が行われます。弓取式は結びの1番で勝った力士の代わりに横綱と同部屋の幕下力士が務める儀式で、観客による「よいしょよいしょ」の掛け声がかかります。
巡業の終わりは名残惜しさもありますが、弓取式までしっかり見届ければ1日を存分に味わえたという満足感に包まれるはずです。ぜひ最後の瞬間まで観戦を楽しんでください。
ronchon.hatenablog.com
大相撲本場所と巡業に関するQ&A

Photo by photoAC
ここからは、大相撲の本場所と巡業の違いや特徴について、よくある疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。初めて足を運ぶ方は、ぜひ観戦前の予習に役立ててください。
大相撲は何時から見に行くのがおすすめ?
「本場所や巡業は何時から行けば楽しめる?」と迷う方も多いでしょう。観戦に行くベストな時間帯は、「誰の取組を見たいか」や「どの催しを楽しみたいか」で異なります。
本場所の場合、若者力士を見たい方や観客が少ない時間帯で静かに見たい方であれば開場直後〜午前中に訪れるのがおすすめです。逆に、人気力士の白熱した戦いを見たい方は15:00〜16:00を目安に訪れると良いでしょう。
一方で、巡業は午前中に訪れると握手会やサイン・写真撮影など、力士との交流のチャンスが広がります。お昼過ぎからは初切や相撲甚句、土俵入りや取組が中心となるため、「相撲らしい催しをしっかり観たい」という方にぴったりです。
大相撲本場所と巡業の料金はどのくらい?
大相撲の本場所と巡業はどちらも、座席の種類によってチケットの価格が大きく異なります。
たとえば、本場所の1人あたりの価格は椅子席が数千円からで、土俵に最も近い溜席は20,000円が一般的な相場です。テレビでもよく見かける枡席はグループ向けの設定になっており、1枡4人での販売が主流です。
一方で、巡業も椅子席であれば1人あたり数千円から購入できます。溜席でも20,000円未満に設定されていることが多く、比較的手頃な価格で楽しめます。また、巡業は座席によって特典でオリジナル座布団が用意されているケースもあり、記念になるでしょう。
大相撲本場所と巡業のチケットはどのように取るの?
大相撲本場所のチケットは、まずファンクラブやチケット大相撲などの先行抽選で手に入れる方法があります。先行販売は抽選になるものの、購入できる方が限定されたり一般販売よりも早く申し込めたりするため、席を確保しやすいのが特徴です。
一般販売はチケットぴあやチケット大相撲を通じて誰でも購入可能ですが、人気の席はすぐに売り切れることが多いため、早めの購入がおすすめです。
一方で、巡業は開催地域によって異なりますが、多くの場合は先行販売のほか、一般販売のローソンチケットやチケットぴあなどで購入できます。
ronchon.hatenablog.com
大相撲本場所と巡業の楽しみ方のポイントは?
どちらも力士を間近で見られますが、それぞれで楽しむポイントが若干異なります。
たとえば、本場所は朝から若手力士の取組が行われます。そして、夕方になるにつれて人気力士が続々と登場し、徐々に高まる会場の熱気を肌で感じられるのが醍醐味です。真剣勝負ならではの緊張感も、現地観戦ならではの魅力です。
一方で、巡業はファンとの交流に力を入れており、力士とのふれあいを楽しみにしている方にぴったりです。土俵入りや取組はもちろん、握手会や質問コーナーなど相撲をより身近に感じられる機会が豊富に用意されています。また、サインをもらったり写真を一緒に撮ったりする機会が多いのも巡業の魅力です。
まとめ

Photo by photoAC
この記事では、大相撲の本場所と巡業の流れや見どころを解説しました。
本場所も巡業も、どちらも力士たちの迫力ある取組や伝統儀式を間近で体感できる貴重な行事です。それぞれで楽しむポイントが若干異なるため、「何を見たいのか」「何をしたいのか」を明確にしたうえで参加すると、より一層満足度も高まります。
ぜひこの記事を参考に、本場所や巡業の流れを知り、相撲観戦を思い切り満喫しましょう。